--- インフルエンザ脳炎・脳症 ---

Qは質問、Aは回答です。
回答は、署名付き以外は、全て、小児科医・毛利子来が、自分の考えに基づいて、書いたものです。
ですから、絶対視しないで、他の考え方も参考にしながら、最終的には、ご自分で判断してくださることを望みます。


・インフルエンザ脳炎とか脳症というのは、どのような病気?
・インフルエンザに関わる脳炎や脳症は日本に特有の現象だとか。本当ですか。なぜでしょう?
・解熱剤の使用とインフルエンザ脳症の関連性がニュースになっていましたが、どういうこと?

インフルエンザの発熱途中に、突然けいれんを起こしたり、意識障害を起こしたりして発症します。意識障害には、いくら起こそうとしても起きない、変なことを口走る、異常に興奮しているなど様々です。熱性けいれんや高熱に伴ううわごとなどとの区別はつけにくく、症状の重さ、持続時間で区別しているのが実状です。1歳台をピ−クに、0-5歳の発症が多く、大阪での推計では、この年齢の人口10万人に一人位の割合で起こるようです。厚生省研究班の調査では約1/3が死亡、1/3が後遺症を残します。ほとんどインフルエンザにかかって0-2日以内に発症します。 インフルエンザ以外にも、特発性発疹症やほかのウィルス疾患でも発症します。100人を越える発症は日本にしか見られません。ボルタレンやポンタ−ルという、他の国では強すぎて解熱剤としては使わない薬を日本では使っているので、それが急性脳症の原因ではないかという疑いが強く、以前から厚生省の調査でもそれが強く示唆されてきました。昨年、今年の調査でそのことがより明らかになり、小児科学会でも今年やっとポンタ−ルやボルタレンを使わないようにという勧告をだしました。 今年の厚生省の調査でインフルエンザワクチン接種者からも3名脳症が発症したことがあきらかになりました。脳症をなくすためには、原因を曖昧にしたままワクチン接種を勧めるという方向ではなく、危険な解熱剤の禁止を徹底させ、アメリカのライ症候群(1980年をピ−クに、ライ症候群というインフルエンザに伴う脳症がアメリカで多発、因が解熱剤のアスピリンと判明)のときの様に、原因についての、より厳密な国家レベルの疫学調査が急がれます。(2000,11,19文責 山本英彦)

インフルエンザ脳症はインフルエンザによる高熱によるもの?
高熱が原因とは考えられません。詳しくは、前のQ&Aを見てください。

最近耳にする脳炎・脳症は前からあったの?
以前からありました。しかし、インフルエンザによる脳炎・脳症が問題になったのは最近のことです。詳しくは、前のQ&Aを見てください。

インフルエンザ脳症と関連性の高い解熱剤を使わなければ、脳症になるのはふせげますか?
全てではないけれど、相当に防げるはずです。詳しくは、前のQ&Aをを見てください。